海外で働く

海外で働く方法~海外駐在員編~

海外で働く方法に「海外駐在員」という選択肢があります。

今回は海外駐在とは何か、メリット、デメリット、海外駐在する方法について解説していきます。

海外駐在員とは

日本にある本社から海外の拠点や支社に派遣された人材を「海外駐在員」と呼びます。海外で働くサラリーマンのことです。

一般的に給与や待遇が良くキャリアアップにもつながるので人気のポジションとなっています。

メリット

海外駐在のメリットは給与待遇などたくさんあります。詳しくご紹介していきます。

給与

赴任地にもよりますが、日本の給与+現地の給与が貰えることが多いです。

年収は日本での金額よりも1.5倍程度が相場とされ、さらに海外で支払う税金は企業が負担する場合が多いため、手取りとしては1.8倍程になるケースが多いようです。

日本に家族などがいなければ日本の給与に手を付けず全て貯蓄に回す事も可能です。さらに住居、車、現地保険などを会社が負担してくれるパターンが多いため生活コストも抑えられます。

海外赴任を数年すれば帰国後に家を建てられる、という話もよく聞きます。
お金がとにかく貯まるというのは海外赴任の大きな大きなメリットでしょう。

充実した福利厚生

海外駐在員は福利厚生が充実していることも大きな特徴です。
日本ではまず住めないような豪邸、運転手付きの車、日本への帰省費用。これらのほとんどを会社がお金を出してくれます。
具体的には以下のような福利厚生を受けることができます。

住宅・家賃手当

勤務地での家賃は基本的に企業が全額負担します。負担額は企業によって様々ですが発展途上国などの家賃が安い国ではプールジム付き物件などちょっとした豪邸に住めることもあります。

帰国時の交通費

赴任時の交通費・引っ越し費用は基本的に企業が全額負担してくれます。年に何度かの一時帰国費用も企業が負担するケースが多いです。

子どもの養育費

子どもがいる場合は、現地の日本人学校やインターナショナルスクールなどに通う際の学費を企業が負担してくれるケースがあります。

医療費・治療費

企業負担で医療保険に加入させてもらえるため現地での医療費は全額保険でカバーしてもらえるケースが多いです。ただし国や加入する保険の種類によっては歯の治療など、例外はあります。

その他の手当

発展途上国や危険地域とされる場所への駐在では別途手当が支払われるケースもあります。

語学力の向上

すでにある程度語学が堪能な人が海外赴任要員になるのは当然ですが、海外で実際に使うことによって語学力はさらにブラッシュアップされていきます

日本で学習した語学とは違い、現地の独特の言い回しやビジネスシーンでの生の英語に触れられるのは海外勤務ならではです。

語学があまり得意でない人も毎日必然的に話さなければならない状況に置かれるため勉強もはかどります。

国際感覚が身につく

海外で生活・仕事をする経験によって国際感覚が身につくこともメリットの一つでしょう。今まで触れてこなかった価値観や文化に触れることで、今後のキャリア形成や人生選択において有用となる考え方を吸収することができます。

キャリアアップ

海外赴任を経験することで、社内であれば出世コース転職市場でもグローバル人材として扱われ、給与や待遇も上がりやすくなります。グローバル化が進む中、明日あなたの上司が外国人になる可能性もあります。

海外駐在員として赴任する際は管理職・マネージャー職としてのポジションで働くケースが多いです。
海外の会社で現地スタッフと仕事をしていくなかで、言語の壁、国民性から来る価値観の壁にもたくさんぶつかります。
試行錯誤を行う中で得たマネジメントスキル、海外勤務経験は、
日本で生きていく上でも大いに活きる経験となるでしょう。

また、見知らぬ土地で業務を遂行すること、生活することによって得たメンタルや適応能力の高さも大きなアピールポイントになります。

現地国での人脈形成

海外での勤務では、日本ではなかなか得ることができなグローバルな人脈を築くことができるチャンスでもあります。親日な国であれば日本人と仲良くなりたいと思っている外国人も多くいますし、日本でビジネス展開をしたいと考えている外国人もいるでしょう。
パーティーや勉強会などの会社以外の社交的な集まりなどがあれば積極的に参加し現地での人脈を作っておくとよいでしょう。
現地の人との繋がりができれば、現地の人だけが知る情報を教えてもらえたり、何かトラブルに合った際に助けてもらえたりと現地生活の質も向上します。

生き方の幅が広がる

海外赴任を通じて、生き方や働き方のオプションが増えることもメリットと言えるでしょう。

国や地域によって文化も習慣も違うことは当たり前ですが、日本で生まれ育つと日本の常識が世界の常識と知らず知らずのうちに思い込んでしまっています。

日本人は「右に倣え」「みんな一緒」など同調圧力のようなものがありますが、新たな価値観に触れることで今までの価値観から解放され、生き方の幅が広がるでしょう。

「もっと自由に生きて良いんだ」と思え、無意識に自分を縛っているものから解放されて、自由に物事を考えて選択することができるようになります。

デメリット

海外駐在はメリットだけではなくもちろんデメリットもあります。メリットデメリット双方を吟味して検討すると良いでしょう。

いつ、どこに赴任できるか分からない

海外駐在は会社からの命令で赴任する。そのため、いつ・どこに赴任するかは会社次第となる。
任期も会社次第となるため、自分が行きたくない国に何年も滞在するはめになるケースもある。

そもそも選ばれる保証は無い

会社によっては海外赴任に選ばれるかはかなり狭き門である場合もあります。
今働いている会社が海外展開していても海外拠点が少ない会社であったり配属される部署が海外事業と関係のない部署だと確率は下がります。

就職、転職活動の際はその会社がグローバルで展開している企業かどうか、自分の希望部署で海外駐在のチャンスがあるかどうかなど事前に確認しましょう。

業務が大変

メリットで挙げたキャリアアップにつなげるためには大変な仕事をこなさなければなりません。
海外で英語を使って仕事をする、現地の人々に混じって仕事をする、価値観や文化の違う人々と仕事をすることは思っているよりかなりハードです。

医療が不安な国もある

海外で病院へ行くというのはそれだけで不安な事です。
それに加え言語という壁もあります。とくに病院で使われている言葉は難しい用語が多く、診断内容を理解することも一苦労でしょう。
国や地域によっては病院の質が良くないこともあります。駐在員行きつけの信頼できる病院があれば良いですが、そのような病院がなかった場合、病院探しは大変です。

食事

日々の食事がストレスになる場合もあります。国により食文化は異なり、発展途上国では衛生的な不安もあったりします。
国にもよっては外食で日本食を食べれるところが少ないこともあります。
現地の食事が舌に合わない場合や胃腸が弱い人は苦労するかもしれません。

自炊をするにも食材や調味料が手に入りにくい場合もあるので赴任する国の食事事情は事前に調べて置くと良いでしょう。

海外駐在する方法

ここまで海外駐在員のメリットデメリットをご紹介しました。
では実際に海外駐在員になるにはどうすればよいのでしょうか。

新卒の場合

新卒のときから駐在員ポジションを狙うには就職活動の際にグローバル企業や海外事業を展開しているベンチャーなどに就職し駐在員ポジションを狙う方法があります。
就職活動の際には海外の事業内容やどの地域に展開しているのかなど確認しましょう。

就職後は実績作り語学力向上に努め駐在員になるチャンスを伺いましょう。

海外駐在員での赴任は、現地スタッフを束ねる管理職としてのスキルが求められます。
語学力はもちろんですが、仕事面でも評価されなければ駐在員として抜擢されるのは難しいでしょう。

また、自社で新規海外拠点を出す時、既存海外駐在員の帰任・退職によって代わりの人材が必要なタイミングには全力で手を挙げましょう。

新卒の場合は配属先によって可能性が変わり、必ずしも希望の部署に配属されるとは限らなかったり、海外駐在員を目指してもそのポジションを手に入れるまでに時間がかかったりします。
また機会を伺い続けても選ばれる保証はありません。

現職でチャンスがない場合は転職も検討

現職で海外駐在のチャンスがない場合は転職してそのポジションを獲得する方法があります。
現職で経験を積みながら他社の海外駐在要員の求人を探します。

求人の段階で行先やポジションが決まっている場合が多いため、行きたい国に行けるチャンスが大きくなります。

とはいえ、海外駐在員は大きな経費がかかるため簡単には転職できません。現職での経験やスキルをしっかり貯めてチャンスを伺うと良いでしょう。

語学スキルの目安

英語学習の学習目安としてTOEICがあります。日系企業ではTOEICの点数を海外駐在の要件にしている企業も多いので勉強し受験しておくと良いでしょう。

英語学習ではTOEIC700点以上が一つの目安となっていますが、一般的に
600点以上で英語を重視しない企業でも一目置かれ
800点以上になると外資系企業にも挑戦出来る
と言われています。

転職エージェント

駐在員の求人を探すなら、転職エージェントを利用することをお勧めします。

駐在員には多額の人件費やコストがかかるため駐在員求人はハイレベルで高収入な募集が多くなります。
質のいい人材を集めたい企業側は転職エージェントに高いお金を支払い、非公開求人を出すことが多いです。

普通の転職サイトでは見つからない非公開求人は、転職エージェントに登録して紹介してもらうしかありません。

海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。
自分の目的や理想に合わせて、2つ以上のエージェントを利用する事をお勧めします

海外の駐在員案件に強い転職エージェントをご紹介します。

海外就職に強い転職エージェント

リクルートエージェント

ランスタッド

その他の転職エージェント

上記2件よりは少ないですが、以下の転職エージェントでも海外駐在求人を募集しています。

JAC

ビズリーチ

doda

海外転職はタイミングと行動力が大切

海外就職の求人は人気が高い為、募集があってもすぐ埋まってしまう可能性があります。優良な求人をとりこぼさないように、常にアンテナを張り、良い非公開案件があればすぐ紹介してもらってどんどん応募する行動力が重要です。

まとめ

海外就職は実力だけではなく、運とタイミングにかなり左右されます。その為、海外で働くという目的に向かって少しでも早く行動を始める事が大切です。

今の会社で頑張って駐在員に抜擢される事を目指すことと並行して転職エージェントや転職サイトなどで海外求人は随時チェックしチャンスがあれば挑戦すると良いでしょう。

英語も並行して勉強しましょう。

まずは行動!是非頑張ってください。