近年日本人の移住先として人気なマレーシア
今回は実際にマレーシアに住んでいた筆者の体験談をもとにおすすめポイント、メリット、デメリットなどについて書いていきます。
目次
結論から!住んでみた感想
結論から言うとめちゃめちゃ住みやすかったです。
私が気に入っていたのは以下のポイントです。
常夏で年中同じ服装で過ごせる
「毎日何も考えず前日干した服を取って着る」を繰り返して1年間過ごせます。
常夏ですが、夜は25℃くらいになるため寝苦しくなくエアコンなしで生活できていました。(同じ日本人でもずっと冷房をつけて過ごしている人もいましたのであくまで個人の感想です)
周辺国へのアクセスの良さ
マレーシアから周辺のアジア諸国へは非常に旅行しやすいです。航空券も安いのでマレーシア国内だけでなく周辺国に旅行したいひとにもおすすめです。
ごはんが安くておいしい
マレーシアには大きく分けて3つ(マレー系、中国系、インド系)の民族が暮らしており各民族の料理が味わえます。
屋台のご飯は安くて美味しく、100~250円ほどでおなか一杯になります。
マンゴーやマンゴスチン、パイナップルなどなど日本では高価な南国フルーツが安くてめちゃめちゃおいしかったです。

配車アプリの発達でタクシー移動も楽、しかも安い
マレーシアではGrabという配車アプリが流通しており、アプリでサクッとタクシーを呼ぶことができます。初乗り料金は5リンギット(約125円)~と安いので気軽に利用できました。
青い空ともくもく雲

マレーシアの空は綺麗です。日本の夏のような入道雲と青空は癒されました。
綺麗なビーチまでのアクセスの良さ
マレーシアは半島であるため周囲を海で囲まれています。また周辺にはリゾート地として人気の島もあります。LCCで1~3時間、数千円~でアクセスでき週末ビーチでのんびりも叶います。

マレーシア移住の実際
ここからはマレーシア移住を検討する際の気になるポイントについて各項目に分けて、実体験をもとに紹介していきます。
多民族国家
マレーシアは歴史的背景から大きく3つの民族が暮らしています。
ざっくり
7割:マレー系
2割:中国系
1割未満にインド系
それぞれ全く違う文化を持っているので非常に面白いです。
祝日も各宗教や民族ごとに存在するため年間で祝日数は多いです。
各民族のお祭り日本では「お正月」のように盛り上がる休日もあります。
それぞれの休日前から街が装飾し始め街中で花火などもあがります。
マレー系の断食ラマダンと断食後のハリラヤ(イスラム暦における9月)
インド系のディパバリ毎年10~11月頃(ヒンドゥー暦の第7番目の月の新月前後)
中国系の春節・チャイニーズニューイヤー(旧正月)
住居費が安い
私が住んでいたのは家具付き2LDK・98平米のコンドミニアム
プール・ジム付き、セキュリティ完備
駐車場2台分
家賃は5万円/月でした。
さらにコンドミニアム敷地内に売店と韓国料理屋が入っていました。
立地や新旧で価格は変わりますのであくまで一例ですが日本で同じような物件に住むよりはかなり安いと思います。


物価
マレーシアの物価は日本の1/3ほどです。
もちろん全てのものではありませんが、生活に必要な日用品などは安価です。
ただしイスラム教の国なので酒税が高く、お酒は高いです。
ビールなど国内生産しているものは日本と同等価格、輸入物のウィスキーなどは日本の倍~3倍ほどで売られていました。
食事
マレーシアの人口の7割を占めるマレー系民族はイスラム教なため豚肉とアルコールは摂取しません。しかし中国系の民族が2割を占めるため、中華レストランでは豚肉メニューはたくさんありますし、スーパーでもマレー系ローカル店でなければ豚肉は手に入ります。
屋台
屋台の食事は安くて美味しいし。衛生的にも大丈夫でした。
日本ではあまり食べたことなかった中華を毎日のように食べてました。
マレーシアのインド料理はインドで食べたインド料理とはまた違った美味しさがあり美味しかったです。
マレー料理のナシレマも安くておいしくてよく食べてました。

レストラン
マレーシアには様々な国のレストランがありますが、やはり多いのは中華、マレー、インド料理です。
本格中華料理が日本で食べるより1/3ほどの価格で頂くことできました。


中華レストランで4人でおなか一杯食べて、ビールも飲んでも2~3000円とかで終わっちゃう天国。
洋食も日本食も食べれます。価格は日本と同等~少し安い程度です。

買い物
スーパー
マレーシアは車社会で広大な土地に大きなスーパーがドーンと建っています。
私としてはもっと小さくてさくっとお買い物出来るお店があればいいのにな~と思っていました。
ローカルな商店はたくさんあり私はよく利用していましたが、綺麗さや品質などが気になる方は大手スーパーに行く方が良いでしょう。
住んでいる場所によってはスーパーへのアクセスの良いところやコンドミニアムの下にスーパーのある物件などもあるので住居を決める際に確認しましょう。
コンビニ
ファミリーマートが進出しており商品も日本と同じものも販売されています。
マレーシアならではのお菓子屋お弁当などもあり面白いです。
セブンイレブンもありましたが、こちらはローカル色が強めで他のミニストアと同じ品揃えでした。
ファミマ店内動画⇩
ショッピングモール
イオンモールや伊勢丹、そごうなど日本のショッピングモールもたくさんあります。

ドラッグストア
ドラッグストアの中は日本と相違ない品揃えだったと思います。
化粧品類も日本や韓国製のものも売られていました。
よっぽどのこだわりが無ければ十分かと思います。
トイレ
そこそこ綺麗!
デパートなどは綺麗なことが多いですが、ローカルなお店やレストランではペーパーがなく水桶が置かれているところもあります。
ですが、他のアジア各国に比べると綺麗なところが多かったと思います。
美容院
日本人美容師さんのお店もありますが、ローカルの美容院もかなりレベルが高かったです。
価格は
日本人経営のお店:日本と同等~より高め、
ローカルの美容院:日本より安価~同等
といった感じでした。

別の美容院でパーマとカットをしたときは8000円位でした。
病院
日本人スタッフのいるクリニックや日本語対応のある病院もあります。
こちらのサイトなどで紹介されてます。
医療レベルは高水準ですのでよっぽど大きな病気でなければ問題ないでしょう。
保険に入っていない場合は全額自己負担になってしまいますので保険加入はカバー範囲も含めて要検討です。
基本的には現地で加入する方が安いですが、すぐに見つけるのは大変な場合もあるので日本で短期の海外旅行保険に加入してから現地でゆっくり探すのもいいでしょう。
海外旅行保険のAIG
移動手段
タクシー
マレーシアでは配車アプリGrabを使用するのが便利です。

電車
首都のクアラルンプールでは鉄道やバスも発達しています。
Touch and Goというチャージ式のカードを作ると便利です。
日本のSuicaのようなもので、高速道路料金の支払いやコンビニでの支払いに使えます。
バス
街乗りバスから高速バスまであります。
マレーシア国内だけでなくシンガポールへ行くバスもあります。
自家用車
マレーシアは車社会なので住む場所や家族連れなど場合によっては自家用車があった方が便利です。
実際、マレーシアに駐在員として派遣されている日本人は会社から支給されていたり、自身で購入して車を所有している人が多くいました。
日本車がかなり流通しています。日本車の購入額は日本と同等~少し高い位ですが、中古でも高く売れるため数年単位で長くいる場合は自家用車の購入を検討されるのも良いでしょう。
ちなみにガソリンは日本の1/2~1/3ほどの価格とかなり安いです。
バイク
現地の人でバイクに乗っている人は多いですが、日本人で乗っている人は聞いたことがありません。
車を購入するよりは手軽ですが、現地の人の運転は荒めなので事故に合わないように注意してください。
自転車
自転車に乗っている人は少なかったです。
道路状況が良くないことと、昼間は暑いのが関係しているかもしれません。
道路も車やバイク以外で走行することを想定されていない作りになっているところが多かった印象です。
もちろん住む地域によるので一概には言えません。
徒歩
首都クアラルンプールの街中は徒歩の方も多いですが、
田舎の方に行くと徒歩で歩いている人はあまりいませんでした。
ネット環境・スマホ・SIMカード
インターネット
インターネットは日本と同じようにプロバイダーと契約します。2年縛りなどの契約期間を設けているところが多かったです。通信速度は日本よりは遅めかなという印象でした。ネットの契約料は日本と変わらないくらいの価格でした。
スマホ契約
SIMフリーのスマホとSIMカード契約が主流です。SIMカードの契約料は安く、数百円から選べます。
日本人コミュニティ
現地で生活するにあたり日本人コミュニティと繋がっていれば何かと安心です。困った時に情報を得られたり、海外だからこそ助け合えたりします。
日本人会
マレーシアに限ったことではありませんが海外で日本人がそこそこいる地域には日本人会というものが存在します。入会費月々の会費などは必要ですが、イベントや各種案内など情報を得るには良いでしょう。
掲示板
日本でいうジモティのマレーシア版も存在します。
情報交換や仲間集め、不用品処分などのプラットフォームとして利用可能です。
Facebookにも様々なグループが存在します。
「マレーシア 日本人」など自身の気になるワードで検索し、気になったグループに参加すると人脈を広げられるでしょう。
フリーペーパーのコミュニティ欄
マレーシアには日本人向けのフリーペーパーがいくつかあります。
毎週発行のWEEKLY M-town(HP)や月刊誌、年刊誌などさまざまです。
サークル・コミュニティ欄がありメンバーを募集している場合などもあるので気になるものに顔を出すと良いでしょう。
コミュニティの広げ方
日本人だけでなく現地の人とも交流したい場合、まずきっかけが必要ですよね。
そんな場合に活用できる方法をご紹介します。
Meet up
Meet upというアプリでは現地の集まりのメンバー募集を見れたり、自分で作ることも可能です。

Twitterで「マレーシア」などで検索するとマレーシア在住日本人や日本語が話せる現地の人と繋がれます。Twitterつながりでオフ会を開いたり、そこから友人関係に発展することもあります。
Facebookコミュニティは日本人との繋がりだけでなく現地の人との繋がりにも利用できます。英語やそのほかの現地語ができるのであれば他言語で検索してみるのも良いでしょう。
気候
一年を通して常夏の国。雨期と乾期がありますが、気候にあまり差はありません。
スコールと呼ばれる強い雨が1~2時間降りますがすぐやみます。
文化
前述のとおり、大きく3つ、マレー系、中華系、インド系の民族が暮らしています。
それぞれの文化を味わえるのはもちろん、多民族・多宗教が同じ国で暮らしているというは島国日本ではあまり得られない体験だと思います。
意外と驚いたのは各民族で混ざって生活しているわけではなく、基本的には民族・宗教ごとに分かれて生活していたことです。(もちろん民族・宗教を越えての交流もあります)
宗教
マレー系はイスラム教、中国系は仏教、インド系はヒンドゥー教です。
イスラム教は1日5回の礼拝や豚・アルコールの摂取をしない、女性はヒジャブと呼ばれる被り物をしているなどの特徴があります。職場やお店などにお祈り部屋が用意されているのもイスラム圏ならではと言えるでしょう。
日本と同クオリティのサービスは求められない
マレーシアは非常に住みやすい国だと思いますが、日本と同じサービスやクオリティは求められません。
例えば給湯器が壊れて修理の人を呼んだとしても、
修理の人はすぐには来てくれません。
数日後約束の時間になっても遅刻はあたりまえ、
やっと来ても点検だけして、修理の人はまた後日ということもあります。
スーパーのレジでは店員さんが座ってレジ対応していたり、おしゃべりをしていることはよくありますし、のんびりしていることも多いです。
常にそうとは言えませんが日本のサービスが当たり前と思っているとマレーシアではイライラしてしまうこともあるでしょう。
同じ国の中でも住む都市にもよる
同じ国でも住む地域によって状況は変わります。
これは日本でも東京と広島で全く違うのと同じです。
何が合うのどうかは人それぞれですが、わからない場合は首都あたりから住む方が人にも情報にもアクセスしやすいでしょう。
マレーシア移住に向いてない人
マレーシア移住は個人的にはかなりおすすめですが、全員に当てはまるわけではありません。
日本と同じ生活の質を求めるひとには向いていないかもしれませんし、暑いのが嫌いなひとや冬が好きな人にも物足りないでしょう。
常夏なので四季が恋しくなることもあります。
何が大事かは人による
結局、何が大事かは人によります。
事前の情報収集も大切ですが、住んでみないと分からないことはかなり多いのでまずは短期からでも住んでみることをおすすめします。向いていなければ帰国するなり、別の国に行くなりすれば良いのですから。