海外で働く

海外現地採用の実際

海外で働く方法の一つとして現地採用という方法があります。

今回は実際にインドとマレーシアの現地採用を経験した筆者の体験談をもとにメリットデメリットなどを紹介していきます。

海外への移住・転職方法として現地採用を検討している方のお役に立てれば幸いです。

現地採用転職の感想

結論から言うと私は現地採用という転職方法を選んでよかったと思っています。

「現地採用」というとネガティブな感想や評価もみかけますが、
「海外で暮らしたい」という夢を叶えられたし「自分で自分の人生を動かしている」と思えて自信にも繋がったのでかなり満足しています。

今となっては別の方法もあったのは事実だなとも思いますが、
それも一度海外で働いて暮らしていろいろな経験を積んだからこそ言えることだなと納得もしています。

なぜ現地採用を選んだのか

なぜ私が現地採用という方法を選んだのかについてお話します。長いので興味のない方は次の項へどうぞ。

子供のころからテレビで見る「海外」の街や人々に憧れていました。
しかし私の生まれ育った家は「海外とは無縁」な「田舎」の「普通」の家庭でした。
「海外行きたい」というと「うちにはそんなお金ないからね」と言われていました。
「もっと広い世界に行きたい」
実家を出たくて勉強を頑張って親の納得する県外の大学へ進学。学生時代にも「留学とかしたいな」と思いながらも学費と生活費を稼ぎながら勉強することで必死でした。それでもお金を貯めて海外旅行には行きました。
世界にはまだ私の知らない世界がたくさんある。もっと知りたい、感じたい、触れたい、と思いながらそのまま社会人になりました。

就職した会社は田舎の古くからある会社。(就活時代は自分的暗黒時代で就活を頑張ることができず、結局地元にもどって適当に受かった会社に就職したのでした。せっかく大学で県外に出た意味が。。。)

終身雇用や年功序列の文化が色濃く残る土地と会社で「海外に行きたい」という夢はただの夢のまま終わるところでした。

その会社で4年ほど勤務した後、私生活でいろいろあり仕事を辞めなければならなくなりました。

私生活のごたごたが落ち着いて再就職を考えたとき、頭によぎったのは「海外に出たい」という気持ち。「せっかく仕事してないしこの機会に海外に行きたいな」「でもお金がないし、働かなければ」「無職期間が長くなればなるほどキャリアに響くしどうしよう」
と諦める理由ばかりが浮かびました。

そんななか国内転職活動をしながらインターネットで海外を軸に情報収集をしている途中で「海外で働く」という選択肢を見つけました。

海外で働くには駐在員という形で日本の本社から海外の支社へ派遣される方法と、現地採用で現地の会社に雇われる方法があることが分かりました。
前者は海外転勤の可能性のある会社とポジションに入社し何年か勤めた後、人事異動で海外転勤をつかむというもの。会社命令で派遣されるので待遇や給与は良い。しかしいつ行けるのかどこに行けるのかは自分でコントロールできない。
後者の現地採用は給与や条件はあまりよくないが、行きたい国の行きたい会社の求人を探して受ければ良いので、場所やタイミングを自分で選べる。

「思い立ったら即行動」派の私は何年かかるのか分からない「駐在員」ポジションを選んでいる余裕なんてありませんでした。

いますぐ行きたい。

はじめは〇〇ナビ系の転職サイトで見つけたマレーシアのコールセンターの求人にポチポチとオンライン上で応募して5日後に内定が出たのが始まりでした。

その後海外求人を取り扱う転職エージェントを見つけエージェント経由で紹介してもらった会社に応募。何十社も応募して書類通過した企業を片っ端から面接し(2週間で20社ほど面接)、運よく5~6社から内定をもらいました。ベトナム、マレーシア、タイ、インド、インドネシアなどなどの国と企業から選べることになりました。行ったことのある国はタイだけでした。
当時の私はやる気とバイタリティと勢いにあふれていました。むしろそれしかなかった。
内定をもらった中から行きたい国と会社を決め無事海外転職・移住を果たしました。

新型コロナウィルスの影響もあり2020年12月に帰国しました。現在はまた海外に出るべくいろいろと準備を進めているところです。

現地採用から帰国した今思うこと

当時の私の中には ”お金を得て生きていく方法” が
”企業に所属して働く”という発想しかありませんでした。

今だったら ”フリーランス”や ”起業” なども選択肢に入れて考えても良かったなと思いますし今からでも遅くはないのですが 早く始めるのに越したことはないと思います。

”選択肢”が目の前にあるのか無いのかはかなり大きいと思います。

この記事を読んでくださっている方の選択肢が広がり一人でも多くの人がやりたいことを見つけられれば嬉しいです。

なぜ現地採用を選ぶのかは人それぞれ

現地採用という働き方を選ぶ理由はそれぞれです。
私が実際に海外出会った方々も様々な理由で現地採用という働き方を選んでいました。

海外の経験を積んで帰国後のキャリアにつなげたい

「海外就労経験を活かして自身のキャリアに箔を付けたい」と言っていた方は日本の就労経験に近い職種で海外の求人を探し転職していました。

「自身の経験」×「海外&英語」で差別化をはかり帰国後のキャリアに活かすという方法です。

数年だけ海外に住みたい(最終的には日本)

海外に数年だけ住みたいという理由も結構多かったです。海外で暮らす経験をしてみたいけど最終的には日本に帰りたいという人は多かったです。

ずっと海外に住みたい

永住目的で現地で仕事をしている人もいました。
永住理由は様々ですが、もともとは駐在員で会社から派遣されて現地で働いていたけれど現地が気に入って帰国命令が出た後に現地採用に切り替えてその国にずっと暮らしている人などもいました。
ほかにも現地の方と結婚したため現地採用で働いている人もいました。

パートナーの仕事の都合で移住

パートナーの海外転勤に帯同し現地で仕事を探して働いている人もいました。
パートナーの転勤でキャリアを諦めてしまうケースもありますが、「海外でキャリアを積むチャンス!」と捉えて前向きに生き生きと働いている方ともたくさん出会いました。

現地採用転職のメリットとデメリット

現地採用のメリットとデメリットについてご紹介していきます。

現地採用転職のメリット

自分で行きたい国、時期を選べる

上記でも触れましたが「自分で国や時期を選べる」というのはかなり大きなメリットではないかと思います。

多様化する現代で会社がくれるチャンスを待っていては別の大きなチャンスを逃す可能性もあります。

筆者
筆者
少しフェミニスト的な意見になってしまいますが、「駐在員」には男性が多いので女性である私が駐在員枠を狙って会社に入ってもチャンスは巡ってこない可能性の方が大きいのでは、とも思いました。

未経験でも挑戦できる求人がある

未経験でも挑戦できる求人が比較的多いのも現地採用です。
特に多いのは営業職カスタマー対応社内の日本人対応(総務や経理)の職種です。
日系企業では「日本で生まれ育って日本人の感覚がある」ことや「日本語ネイティブである」ことが必要な職種があります。
これは、海外在住日本人や日系企業の中には「ネイティブの日本語で案内されたい」「日本の細やかな気遣いを求める」といったニーズがあるためです。

筆者
筆者
「日本人に生まれて日本で育った」というだけで持っているアドヴァンテージを利用して「日本人が対応してくれると安心する」というニーズを満たすんですね。

現地採用転職のデメリット

待遇面が良くない

待遇面とは給与だけでなく医療保険、家賃補助、車貸与、帰国手当、有休などなどたくさんあります。
現地採用は本社から派遣されている駐在員と比べ給与は安く、各種手当ても無いことが多いです。
ポジションにもよるので仕事選びの際に福利厚生面の確認をしたり、譲れないものは交渉してつけてもらうという方法はありますが、難しい場合は自分でなんとかするしかありません。

筆者
筆者
私的には、異国の地で自分でなんとか生き延びるという経験は自信と謎の”無敵感”につながりました。少々のことでは動じなくなり、かなり生きやすくなりました!

帰国後のキャリアを形成するのが難しい場面もある

仕事を選ぶ段階から帰国後のキャリアのことを考えて転職活動が出来ていれば良いのですが、「とりあえず未経験でも挑戦できる職」に就いたり「とりあえず海外に住みたい」という理由で現地採用を選ぶとその後のキャリア形成が難しくなる可能性があります。

「とりあえず」で就職したとしても「現地で何をするか・どう過ごすか」が大事であるのは事実です。「自分がどうなりたいか」「何をしたいか」「そのために何が必要か」を後付けでもいいので考えて行動できると良いでしょう。

筆者
筆者
とはいえ「考えすぎて動けない」くらいなら「とりあえず行動しながら考える」方が良いと個人的には思います。

自分の人生は自分次第!

いかがだったでしょうか。「現地採用」調べるとネガティブな意見が出てくることも多いかと思います。
しかし選んだ道が良かったと思えるかどうかは結局自分次第です。
私個人としてはどんな理由でも「やりたい」と思うことがあるのであれば「やればいい」と思いますしその結果がどうであれ絶対に無駄ではないと思います。

筆者
筆者
「なんとなく」「海外に憧れて」「ノリで行ってみる」など何でも良いんです。人生は一度きりなのだから。